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2006年2月11日

涙が笑いに変わる時。。。

今日は、思い出の話をしよう。

DSC02547 S君宅にて。。。

最近、少しずつ私の中で私という人間がわかってきたので。。。
今日は思い出話をしようと思います。

 

私という人間は、もうすぐ手に入るという段階で
何かにいつも躓く人間。

トラブルに弱く、目標が大雑把で。。。
いつも空ばかり見ているような。。。
だから、もうすぐ手が届くのか・・・さらに遠くなったのか。。。
いつもわからない。

ただ、上手くことが運ぶ時に限って何かに躓く。

私が物事の常識や、日常についてわりと考え理解できるようになったのは
わりと最近のことのように思う。

すごく非常識な生き方をしてきた。

21歳までの私。
今思うと、生きていくのに必要なことをまるで知らなかったように思う。
でも、その時は何でも持っていた。
そう、思って疑わなかったように感じる。

その頃のわたしは、友達も恋人もどうでもよく。。。
家族ですら自分の先の人生には関係ないと思っていた。

全てを切り離して、私は私の生き方が大事だった。

恋人は来るもの拒まず。
友達も、来るものだけ。
楽な人だけと付き合っていた。
自分が夢中で働いている時は、それすらどうでも良かった。

私が、初めて自分の意思で立ち向かって選択したもの。
それが大事で、私の全てだった。

花の世界で生きて行くと、思い込んで疑わなかった。
それ以外のものは、何もいらないと思っていた。

人間的な想いがあるのは・・・。
昔の恋人を、時々思い出すくらいだった。

あるとき、私はついに海外に出て行くことになった。
浮き足立って、もう日本には帰らないと決め付けて有頂天だった。
当時付き合っていた彼にも、かなりずさんになった。
そして、もっと楽な彼に乗り換えた。

英会話のスクールに通い、実技試験をパスして。。。
何もかも順調で、何もかも捨てる気で・・・いい気になっていた。

そんな時、父親が脳梗塞で倒れた。

「こんな時に、行かないでしょ?」

母に言われた。

腹が立った。
いつもいつも邪魔しやがって!
実はそう思っていた。

でも、染み付いた習性はなかなか消えないもので。。。
私は結局、うんともすんともいえず・・・。
そのまま、何もかもを諦めた。

何もかも、諦めた。

そこで、捨てられないものに気がついたのは実は最近だ。

そうなると、一気につまらなくなり。。。
楽な彼はもっとつまらなくなった。
面倒くさくも。。。

その時に一人の男の子と再会した。

実はよく知っているはずで、どうして会わなかったのか不思議なくらい身近な男だった。

友達のつながりで、なんだか遊ぶようになった彼は
私には新鮮だった。
まだ学生の彼は、私の知ってる学生の男の子の誰よりも。。。
若かった。

ある日、彼と友人と私で夜通し遊んでいた時に。。。
することも行くところもなくなった私たちは、彼の提案で川原に行くことになった。
夜中に川原でテントを張り、鍋をしながらお酒を飲んだ。

その時のわたしには、全てが新しくて衝撃的で。。。
どうでもよく白けていた私の気持ちが一気に上昇した。

でも、恋でもなんでもなかった。

他に考えることが出来ることが必要だった。
もしくは、考えなくていいほどバカバカしいことが必要だったと思う。

何でもいうことをきいてくれる楽な彼を捨てるのは、
その時のわたしにとってはなんでもないことで、当たり前のことだった。

「新しい人生を考えなくちゃ。」

その背中を押してもらったのは、川原の彼だった。
今でもすごくありがたいと思っている。

でも、もうその彼は居ない。

私の心に残っているのは、あの川原で過ごしたいくつかの刺激で。。。
その刺激に救われて、いろんなものを手に入れたけど。。。

彼は就職して、大きな会社に入ると。。。
少しずつ、本当に少しずつだけど・・・確実に知らない人になっていった。

クローゼットで忘れられたコートのように、虫喰って。
穴だらけになった。
私を世間知らずと罵って、罵倒した。
確かに世間知らずは未だにそうだけど、
私達は、互いに尊敬しあっている存在だと思っていただけに。。。
いろんな想いが、私の中で閉じていった。

そして、再び私は諦めた。

そういうものだと。

その頃、わたしはまだ昔の彼と連絡を取っていた。
私が今まで一番好きになった彼。
彼に恋人の話をしたことはなかった。
誰にも会わせた事もなかった。
ただ、その時の彼氏だけは何故か会う機会があった。

でも、私達はたまにあってもその話はしなかった。
お互いに認めていなかった。

昔の彼が、あまりにばかげたことをしていた時に
彼をどうにか全うになってほしくて、私は打ち明け話をした。
墓までもって行こうと決めていたこと。

そして、彼は私の思うとおりにしてくれた。
23歳だった。

いつか、私は大好きな彼の彼女に返り咲けると思っていた。
どこかで思い続けていた。
誰かと一生を共にするなら、私には彼以外は考えられなかった。
でも、もうそれは叶わなくなった。
それでも、彼の将来を守りたいと思ったから。

最後に彼に会ったのは、横浜で夜中に厄払いに行こうといったとき。

もちろん神社なんかはやっているわけでもなく。。。
横浜は私が花を学んで、捨てて・・・。
捨て切れていない場所だった。
結局は、私の厄払いになった。

もう戻れない場所を、もう戻れない人と見る。
涙も出ないほど空っぽの心で、ただ立っていた。

彼と二人で私のかつての学び舎であり、職場であったレトロな建物の前に立ち
手をつないで歩いた。

もう、会うことは出来ないと思った。

そして決めた。

もう、会わない。

かつての少年のようなテントの彼は、立派な社会人になって
これぞ、サラリーマンになっていた。

口から出る全ての言葉が、嘘っぽく内輪ネタで
何も面白くもなかった。

でも、もうどうでもよかった。

私はこの人に助けてもらって、あの時数歩でも歩き出せたことだけが確かな過去だった。
それだけで、じゅうぶんなのかもしれないと思えた。

そして、刺激的な彼の面影もないサラリーマンと結婚することになった。

恋でもなく、愛でもなく。。。
それでも、あの時の私には必要な人だったと・・・今は思いたい。

今、私が心から友達を信頼して
いつも誰かの心に留まれるようにと願うようになったのは、
彼らのおかげと思う。

あの時つないだ彼の手が、今の私の何になっているかはわからない。

でも、離してしまったことは確かで。
もう、戻ることも出来ないけど・・・。
ただただ、その手を思うと涙が出る。

深く、深くもぐった深海の心から、とりあえずは丘まで上り詰めることが出来た。

街に出てみたり、傷つき丘に戻ったり。。。

それでも、私は誰もが好きで。。。
友達の涙を泣き笑いで受け入れられるくらいになった。

私の心に留まる人たちのように、私は誰かの心の宿り木に・・・。

それが、私の残りの長いか短いかわからない一生の
全てであっても構わない。

 

投稿者 さゆりん : 2006年2月11日 01:51

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コメント

自分がわかる。客観的に考えられる。
そうなるまでには 色々あったのでしょうね。
何か この記事を 小説のように素敵な
物語のように 読みました。
色々な出会いがあって 今のさゆりんさんが
ある・・・。
やっぱり 強くなりましたかねー。
時々辛いことはあっても 今のさゆりんさんが、
間違いなく 幸せでありますように。

投稿者 minakyonkyon : 2006年2月11日 02:15

深すぎて、簡単にコメントなんてできないけど。。。
きっと、彼との最後の決別の時には、何かあったんでしょうね。
「過去があるから、今の自分がある」、なんて月並みな言葉かもしれないけど・・・・
さゆりんさんが諦めたこと、忘れようとしてること、失ったと思ってること。
やっぱり全部、さゆりんさんの糧となって、今の素敵なさゆりんさんでいられるんだと思います。
旦那様も・・・・恋とか愛だけではなくても。
何か大きなものを与えてくれた・・・それだけでも充分じゃないかなって思います。
今のさゆりんさんの持っているものは、きっと抱えきれないほどじゃないかな。。。。
たくさんの愛に囲まれているように思えます。
なんにも失ってないよ、きっと☆

投稿者 ルイママ : 2006年2月11日 14:08

若いときって… 自信とか不安とか期待とか
いろいろなことが入り混じって、楽しかったけれど
もう一度戻りたいとは思わない、私にとってはそんな時代です。

さゆりんさんもいろいろなことがあって
今のさゆりんさんになったんだなあって、読んでて思いました。
でも無駄に思えることも失敗したことも、全部
今のために必要だったんだ、と私は思っています。
まとまらないけど…
私は今のさゆりんさんが好きですよ。

投稿者 mimi : 2006年2月11日 15:29

読んでて思ったのは・・・・・・・・

わたしはあまり人と深くというか、自分の精神に関わって生きてきてないのかなぁ??って・・・
と、いうのも、そんなに他人から受けた影響ってなくて(苦笑)
または、たぶん他人から受けた影響を、ただ抵抗なく、ひらめきもなく、ときめきもなく受け入れてきてたのかも・・・?
わたしって、大したポリシーなんてないし、目標もないんだけど、妙に頑固なところがあって・・・・。
だからって、それを前面に出して人とぶつかるってこともあまりなく・・・・

そう考えると、さゆりんさんって、殻が厚いって言ってるけれど、心の殻は開放されてるんだと思いました。
相手がずかずかと入ってくるような開放感じゃなくて、
相手が吹かす風が自然と入ってくるような!?

う~ん、なんか難しいけれど、色んな人との出会いって、
絶対何か自分に意味があるんですよね。
そして、気づいてか気づかないでか、自分の考えに影響してるんだろうな。。。。。

投稿者 a@aaa.ne.jp : 2006年2月11日 18:49

↑↑

あわわあわっ!!!!

すみません・・・・投稿者の名前が(爆)

わたしでございます・・・;

投稿者 viggo_eric : 2006年2月11日 19:54

minakyonkyonさんへ

こんばんわ☆
私は、私のことをあまり考えたくなかったのですが。。。
最近はブログ効果か・・・冷静に考えることがわりと出来るようになりました^^;
嫌な過去で考えたくなかったわけではないのですが、
消化できてなかったのは確かです。。。
ある場面では強くもなり、ある一面では相当弱くもなりましたね;
でも、弱さを自覚できる強さが身につきました☆
私はずっと、幸せだったと思います♪
今は特に幸せです^^/

ルイママさんへ

こんばんわ☆
みんな誰にでもある過去です^^;
でも、自分の中で消化しきれないものが多すぎて。。。
それらが今の私の状況を作っているのだし、
それが今の幸せにつながっているのだな・・・
って、思えるようになりました♪

昔の彼との決別は。。。
私は彼が好きすぎて、彼には重たくて・・・。
それを伝えるのが怖かったんですね。
好き過ぎると、犠牲的な愛になるし。。。
でも、それだけ好きだった人だから・・・
なるべく順調な人生を歩んでもらいたかったんです。
付き合っている時も、その後も気持ちを正直に伝えることがなかった関係だったし、伝えたら多分もうダメだって思っていたので。。
彼には自由で居てもらいたかったし、それが魅力でもありましたね^^;
だから、あの時の選択も正解だと思っています☆

たくさんの愛に囲まれていたのに、気がつかなかった自分にいまさらでも気がつけてよかったです♪
失うこともあるけれど、それは得ることでもあるんですね★

mimiさんへ

こんばんは☆
本当、いい時代だったけど・・・戻りたくはないですね^^;
今の私には耐えられないと思います;
その時は苦しくなくても、今は苦しいですね。。。
でも、その苦しさに教えられたことがたくさんあるので
やっぱりあって良かったと思います☆

mimiさんに好きなんていってもらえて、すごく嬉しいです♪
私もmimiさん大好きですよ♪

a@aaa.ne.jpさんへ

わかってるよ~(笑!
すっごく深いコメントなのに、投稿者が・・・ぷっ”
でも、ありがとう♪

私はね、その当時は本当にちゃらんぽらんで・・・
乱暴で身勝手だったんだよ^^;
であった人のことなんて全然何にも考えてこなかった;
それでも、人に守られることや人を守ることを学んできたな。。。
って感じてるんだ。

本当にぶつかることって、その当時はなかったんだけど
人間関係にすごく冷静で、言ってることと思っていることが
全く違っていたり。。。
でも最近は、少しは心の中身を言葉にしていこうかな。。。
って思うよ。
そうすることが必要なんだな。。。って。

相手のふかす風を通り抜けるんじゃなくて、これからは
その風を受け止めていこうかなって。
だから、殻にたくさんの穴を開けて。。。
いつか一本の紐くらいで自分を守れるくらいに強くなりたいなあ。

viggo_ericちゃんも、最近何だかお疲れみたい。
私は夫に対してはついに投げちゃった感じがあるけれど、
お互いに時々風をふかす程度の存在に慣れればいいな。
って思うよ。
これは最終の手段なんだろうケド、一般的な理想の夫婦にはなれないみたい。
ぶつかり合って、壊しあってもう壊すものがなくなって。。。
それで私は逃げちゃったんだ^^;
いい答えが見つかるといいね♪
応援してるよ☆

投稿者 さゆりん : 2006年2月12日 20:12

さゆりんには、悪いんだけど
このブログ読んでなんかほっとしちゃった。
昔だろうとなんだろうと、その時必要だったって
ことを知ることができて。。。
今は、別人であっても、過去のさゆりんにとって糧になっていたんだったらとなぜか、ほっとした。

その別人さんがいなかったら、もしかしたら
わたしとさゆりんは友達でもなんでもなかったかもしれない。
読んでてそう思ったかなー、少しね(笑)
昔、一つくらいいいところあるでしょ?って
わたしが聞いたとき、ものすごく考えこんでた
さゆりをみて、笑ってはいたけど、心の中では
笑えなかったところがあって。
その答えをコレにしてもいいよね?

投稿者 ひろみ : 2006年2月12日 21:37

ひろみへ

え???
悪くないよ^^;
ホッとしてほしかったんだ♪
ありがとう☆

そうだねえ。。。
ひろみとの出会いは、あの頃に私にはとっても必要な出会いだったな。。
って思いながら書いた部分もあるよ。
すっごく廃れてたし、なんだか情緒不安定だったから;
女の子の友達で、彼とかの話ばっかりじゃない友達がほしかったんだよ。
でも、いつも笑い話ばっかりで・・・;
なんだろうね^^;

実はね、今もそうなんだけど。。。
「夫のいいところあるでしょ?」
って聞かれるのがすごく辛かったんだ。。。
大嫌いだからねえ^^;(爆
いいところはたくさんあるんだけど、それは私が求めるところじゃなくて。。。
私には必要ないものだからね。。。
社会的にはいいところなんだけど。。。
それを全てかき消すくらい、傷ついてたから;

わたしね、「何でこの人と結婚しちゃったんだろう?」
とは思わないんだよ。
ただね、「どうしてこの人こうなっちゃったんだろう?」
って思うんだよ。
それが辛くて、答えられなかった。
もしも、夫があのまま少年のような大人になってたら。。。
もしかしたら、すっごく大好きで仕方ないくらいになってたかもな。
って思うと、なんだかやるせないんだ。
本当に別人になっちゃったから;
今思えば、もともと影響されやすいタイプなんだろうケド。。。
見抜けなかったなあ^^;

酷い時に友達になってくれてありがとうね♪
いつもいつも、ひろみに対しても思うんだよ。
あの時を事情がわからなくても、身近に居てくれた人って。

投稿者 さゆりん : 2006年2月12日 23:02

情緒不安定だったのは、わたしの方だったのにね。。
自分にいっぱいいっぱいで、さゆりが不安定だったなんて、全然思わなかったな。
この次のブログで「ありがとう、ごめんね」が
あったけど、あー、このセリフ先に言われちゃったなんて思ったよ。
さゆりのコメント読んで、上の言葉が頭にうかんでたから。
そう、さゆりに出会った時は、メルヘンチックに言ってみると。。。。(笑)
さゆりは羽が生えていてどこにでもいけそうに見えたな。
あたしは、羽が生える気配すらないなって感じで、どこにも動けない気がしてた。
なんで、あんなに上ばっか飛んでる人があたしのとこに降りてくるんだろうって不思議でさ。
それくらい、あたしはさゆりを見ていなかったってことだったのかなっていう「ごめん」。。。と。

あの時、あたしの状況を一番よく理解していてかなり正確にあたしの気持ちをわかっていたのは、さゆりしかいなかったと思う。
会って間もなかったのに。
その「ありがとう」と。
それを言いたかったんだけどね。
面と向かっては絶対言えないことだから(笑)

親しい友達はほかにいたはずなのに。。。
あの時、一番近い友達はさゆりしかいないような感じだった。ほんと不思議。

あの時のさゆりの存在は、言葉にすると薄っぺらいけど、本当に特別だったよ。

投稿者 ひろみ : 2006年2月14日 02:32

ひろみへ

羽か。。
なんか嬉しい(笑;
あの頃は、むしろ羽がもげて急激に落下したら海・・・;
って感じだったかなあ^^;
でも、ふらふらしてて・・・確かに飛んでたのかもねえ^^;
私はひろみがちゃんと陸に居るのが励みだったよ。
ひろみのそばに居れば、自分も何とか陸に這い上がれるかもって☆
ちゃんとひろみのそばに引っ付いて、今は陸まで来ちゃったんだけどねえ^^;
でも、海からは這い上がれてよかった♪
ありがとう。

一番嬉しかったのは、ひろみがどうしようもなく落ち込んだ時に
色々と私に話してくれたことだよ。
突き放したり、ごまかしたりしないで。
育った環境のことも、それが苦しかったこともいろんな話が出来るのは、わたしもひろみだけだった。
今だって特別だよ♪
大人になって、結婚して子供まで産んだのに、未だにこんな友達がいて本当に嬉しい♪
これからもよろしくね(^_*)/

投稿者 さゆりん : 2006年2月14日 03:32

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